研究活動

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バイリンガルの単語認識


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Miwa, K., Dijkstra, T., Bolger, P., & Baayen, R. H. (2014). Reading English with Japanese in mind: Effects of frequency, phonology, and meaning in different-script bilinguals. Bilingualism: Language and Cognition, 17(3), 445-463.


過去のプライミング研究から、書字的に異なる2つの言語のバイリンガルに関しても、非選択的な語彙の活性化が起こることが分かっている。本研究では、眼球運動追跡を加えた語彙判断実験と、混合効果回帰モデルによる統計分析を用いて、英語(第二言語)の語彙判断処理過程における、日本語(第一言語)の頻度、音韻、意味の貢献度を調査した。バイリンガル読者の反応速度と注視時間は第一言語である日本語の単語頻度と、言語間の音韻的類似度と意味的類似度によって決定されていたが、2水準からなる同根語らしさの要因には影響されなかった。これらの影響は英語能力のみを所持するネイティブの英語使用者には観察されなかったことから、バイリンガルに特有の現象と言える。これらの結果をバイリンガル交互活性化モデル (BIA+, Dijkstra & Van Heuven, 2002) の枠組みで解釈し、英語の文字ユニットは日本語の単語ユニットへの直接のリンクをもたないという仮定に基づいて議論する。




日本語の単語認識


Miwa, K., Libben, G., & Ikemoto, Y. (2016). Visual trimorphemic compound recognition in a morphographic script. Language, Cognition and Neuroscience.

Screenshots TrimorphemicCompounds


本研究では、眼球運動追跡を加えた語彙判断実験を用いて、日本語の漢字三字単語(例: 体温計)の認識プロセスを調べた。三字単語が分解、そして構成される過程に関して、以下の疑問が生じる: (1) 認識プロセスは特定の形態構造に基づいてチューニングされているのかどうか、(2) 認識プロセスは構成要素が結合されるボトムアップ処理によってなされるのかどうか、(3) 三字単語を構成するそれぞれの漢字は同様に重要であるのか、また順番に処理されているのかどうか。反応速度と注視時間を混合効果回帰分析で調べたところ、認識過程の後半で左枝分かれ構造をもつ単語への促進効果が見られ、認識過程の初期では単語全体の頻度効果が見られたものの、漢字の頻度も観察された。加えて、第一漢字と第三漢字が単語の認識に貢献したものの、第二漢字の貢献は見られなかった。第二漢字に関しての条件付き確率が第一・第三漢字より高いというコーパス調査の結果は、このバスタブのような効果と類似した傾向を示した。



Miwa, K., Libben, G., Dijkstra, T., & Baayen, R. H. (2014). The time-course of lexical activation in Japanese morphographic word recognition: Evidence for a character-driven processing model. Quarterly Journal of Experimental Psychology, 67(1), 79-113.


EyetrackingLDT

本研究では、日本語の二字単語が認識される過程において、(1) 単語全体と形態素(漢字と部首)が活性化される順番、(2) 左右の漢字の重要性の違い、(3) 部首がプロセスされる度合、また (4) 非言語的な要因の語彙処理プロセスへの影響を調べるため、漢字二字単語による語彙判断実験を、眼球運動の測定を加えて行った。混合回帰モデルによる統計分析を行った結果、反応速度と初期の注視時間は、全ての言語形態レベル(単語・漢字・部首)に影響され、影響の度合と向きは、左から右への語彙処理過程において読者の注意が置かれている位置によって変化することが分かった。単語認識の初期段階では、フォントの大きさと非単語の種類に関わらず、部首レベルと単語レベルの変数の影響は小さく、漢字レベルの変数の大きな貢献が見られた。過去に提案された、部首ベースのモデルと漢字ベースのモデルを発展させ、本研究では実験課題/反応基準を考慮し、文字レベルから部首レベルを飛び越え、漢字レベルまでのダイレクトリンクを持つ漢字主導型処理モデルを提案する。





Miwa, K., Libben, G., & Baayen, R. H. (2012). Semantic radicals in Japanese two-character word recognition. Language and Cognitive Processes, 27(1), 142-158.


JapaneseLDTRadicalPriming

これまでの日本語と中国語における、漢字レベル以下の部品の活性化に関する研究を発展させ、本研究では (1) 日本語の二字単語の認識には部首の活性化が伴うか、また伴う場合 (2) 部首の貢献は意味的な現象か書字的な現象かを調査した。混合効果モデルとランダムフォレストによる統計分析の結果、部首の2つの独立した特性(部首の意味的透明度と有用性 vs. タイプ頻度とトークン頻度)から部首の重要な貢献が確認できた。頻度の影響は主部(右漢字)において促進的で、修飾部(左漢字)においては抑制的であった。これは、修飾部の部首が示唆する意味と単語全体の意味の不一致によるものだと思われる。このことから、部首は単なる書字的な部品ではなく、一種の形態素として処理されていることが分かる。






言語と思考

Miwa, K., Libben, G., Rice, S., & Baayen, R. H. (2008, July). Lexical activations in picture comparison: A cross-linguistic approach to the relation between language and thought in the mental lexicon. In Proceedings of the 6th International Conference of Cognitive Science, 230-232. 


Picture 1

異なる言語間の翻訳語は異なる意味的色合いを含むことから、Baayen と Boroditsky (2004) は写真比較実験を行い、言語に特有の単語の形態構造 (例: オランダ語の vrachtwagen - kinderwagen vs. 英語の truck - stroller) が個々の言語グループの線画認識に影響するのか調べた。結果、写真比較における類似度は形態構造に影響された。これは普段使用する異なる言語によって現実世界の認知が異なる影響を受けるという言語相対性仮説に沿う結果であった。この先行研究を受け、本研究は日本語と英語の単語の形態構造が日本語/英語話者の写真比較に影響するか調べた。結果、いくつかの語彙特性が写真を比較する際の類似度評価に影響することが分かった。


 Last updated 03/05/2024                              © Koji Miwa 2015-2023 All Rights Reserved